クリエイターインタビュー
Denchi

自己紹介:

①自己紹介をお願いいたします!

こんにちは、Denchiと申します。アーティスト・Live2Dモデラー・ソフトウェア開発者として活動しております。2019年に、後のVTube StudioのプロトタイプでCreative Awardsを受賞しました。

元々のきっかけは、2017年にYouTube上にてBrian Tsui氏のLive2Dチュートリアル動画と偶然出会い、Live2Dを知りました。自身のアートワークに対してとても簡単に生き生きとした命を吹き込むことができる可能性に、すぐに感銘を受けました。

私はソフトウェア開発者として、Live2Dを用いて主に自分のアートワークにインタラクティブ性を付与したり、ゲーム制作に関心がありました。そこでいくつかのゲームのプロトタイプを作成し、最終的には自分の空き時間を使ってVTube Studioの制作を開始したのです。

最初は荒削りのプロトタイプを完成させた後、Live2D Creative Awardsに応募し、2019年に「インタラクティブ賞」を受賞しました。それ以来VTube Studioを継続的に改善し続け、最終的にはフルタイムで作業に取り組み始めることができました。

プロフィール

Awards受賞前のエピソード:

②受賞作品制作の過程で、特に苦労したことや印象に残ったエピソードはありますか?

2019年のCreative Awardsは、私にとっては2回目の参加でした。応募作品はVTube Studioのプロトタイプで、いま公開されているバージョンよりもずっと前のものでした。実はその頃、私の人生で非常にストレスの多い時期だったのです。Creative Awardsへの応募作品の制作を終わらせたかったのですが、ちょうど新しい仕事を始めたばかりだったので、休暇を取ろうとしたときに上司に怒られてしまいました。

しかし、なんとか1週間の休暇を取ることができ、ようやく応募作品を仕上げることができました。締め切りの1週間前には、毎日ほとんど寝ずに取り組み、アプリを少しでも見栄えするように仕上げていきました。「Akari」というVTuberモデル(現在はVTube Studioのマスコットになっています)は、その数ヶ月前にゲーム用に描いたモデルアートをもとに、1日で完成させました。

結局、締め切り当日までにできなかったことは多々ありましたが、なんとかAwardsへの動画提出を終えることができました。

私がやりたかったことすべてを終えたわけではなかったのですが、「送信」ボタンを押したときにはとてもホッとしたのを覚えています。

Akari

③受賞作品を制作するにあたり、最も大切に感じたことは何ですか?

Creative Awardsに応募するためのVTube Studioプロトタイプ制作に取り組んでいたとき、個人VTuberはまだ今ほど人気がありませんでした。当時の私もそこまで人気が出るとは思っておらず、Creative Awards後のVTube Studioの具体的なプランも特にありませんでした。ただ単に、 当時の他のVTuberアプリに似たものを自分で試作することが、私にとってちょっとした楽しいプロジェクトというだけでした。

しかし作っていくうちに、せめて他の何人かの人たちももっと試してみたいと思うようなものを作りたいという気持ちが強くなりました。

Awards参加後変わったこと:

④Live2D Creative Awards受賞後、クリエイターとして活動する上で大きく変わったことはありますか?

アートやアニメーション、インタラクティブ性やプログラミングを組み合わせたクリエイティブなプロジェクトに取り組むのが大好きでしたが、それも趣味程度にしか考えていませんでした。実際、その趣味を趣味以上のものにできるとは思ってもいませんでした。

Live2D Creative Awards受賞後は、その趣味をもっと真剣に考えてもいいのではないかと、初めて気づきました。私にとってこの受賞の経験は、今日に至るまでずっとLive2Dに関するプロジェクトに取り組み続け、現在のより良い形へと進化させるための自信を与えてくれたのです。

⑤Creative Awardsへの参加を通じて印象に残ったことはありますか?

もちろんあります! 一度目のCreative Awards応募では、私の作品は選ばれず、その時は少しがっかりしました。しかしその後もスキルの向上に取り組み続け、最終的にはうまくいきました。

なにかに長い間取り組んでいると、自分自身がまったく成長していないように感じることはあります。しかし、それは自分の進歩がゆっくりで段階的だからです。 そこで落胆してはいけません!

何年か前の自分の作品を振り返ってみれば、今では確実に確かに少しずつ成長していることがはっきりとわかります。本当に好きなことがあったら、それを絶対にあきらめないでください!

⑥これからLive2Dを通して達成したい目標はありますか?

特に大きな大きなプランはありません。とにかくいまの自分の仕事が楽しいです。 自分のペースで取り組んでいるし、これからも続けていきたいと思っています。

それに、VTuber活動を行うことで自身の心の健康や生活全般にポジティブな影響を与えたと話している人たちも見てきました。そういったことに何らかの形で貢献することができるなら、私は非常に嬉しいです。

Live2D Creative Awardsが10周年を迎えました!:

⑦Live2D Creative Awardsが10周年を迎えました! 過去受賞者として、ぜひお祝いの一言をいただけますか?

私はしばらくCreative Awardsには参加していませんが、毎年動向を見守っています。エントリー作品の質がどれだけ上がってきているかは、実際には信じられないほどです。5年前の平均的なLive2Dモデリングレベルと、ごく最近作られたLive2D作品とを比較すると、まるで昼と夜くらいの違いがあります。

近年のCreative Awardsへの応募作品も、非常に美しく洗練されており、本当に素晴らしいものです。

そんな素晴らしい作品の中でもより際立つということは、誇りに思うべきことです。これを成し遂げた(または成し遂げるために努力している)どんなアーティストも、尊敬に値します。

⑧最後に、これからCreative Awardsに参加し受賞を目指しているクリエイターへ、応援の一言をお願いいたします!

クリエイティブなLive2D作品のレベルがますます高まる中で、自分には勝ち目がないと思っている方もいるでしょう。
私がCreative Awardsに作品を提出したとき、まさにそう感じていました。

しかしそれでも、チャレンジしてみることはとても良い学習経験になると思います。クリエイティブなプロジェクトを完成させてAwardsに応募することは、とても楽しくエキサイティングなことです。少なくとも、間違いなく私にとってはそうでした。実際にプロジェクトを完成させて提出できると、非常に満足感があります。友達と一緒に何かに取り組むこともできるかもしれませんね!

時間をかけて学んでいきながら成長し、やがて最終的には賞を獲得する可能性があるものをきっと作ることができますよ!

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